どうも皆様おはようございます。
万太郎です。
早速新人、鉄郎を社内に案内する。
先ほどの態度だ。
まずは舐められたらいけない。
厳格な態度が必要になる。
案内をしながら、鉄郎にいったい何をさせたらいいのかを考える。
まず、どうしてもその見た目に目がいってしまう。
機械なのか?
機械であれば、コンピュータだとか、そういうものにも強いであろう。
そこで私が思いつくものは一つだ。
このブログだ。
エスイーオーというものがあるらしいが、それを強化することでGoogleの検索順位が上がるらしい。
私は、他の人間に気取られまいと、ぼそぼそと聞いてみる。
エスイーオーというのは知っているか?
するとやはり低い声で、一音一音確かめるような声で返事をする。
「シーイーオーデスカ? 私ハ、ソノ立場ニアルヨウナ記憶モアル、ヨウナ気ガシマス。」
なんだと。
この機械はエスイーオーその者だというのか。
とすると、先ほどジェット噴射をしていた、あれがサーチエンジンということであろうか。
検索の順位は思いのままだ。
この立場の人間を雇ったのであれば、初日に社長を待たせ、上空から登場しても文句が出ないことには納得ができる。
私はこっそりと、このブログのアドレスとブログをいじるためのIDとパスワードをメモ用紙に書き、鉄郎に手に握らせる。
これを検索順位1位に。
周りに気取られまいとぼそぼそと言う。
だが、どんな立場であろうが、新人は新人だ。
周りへの示しもつかない。
それはそれ、これはこれ。
厳格な態度は変えるわけにはいかない。
そして初日といえど、ある程度のことはさせて帰らせなければいけない。
私は、自分なりにこの組織、自分のやること、手伝ってもらえそうなことはある程度でも伝えなければいけないと考えた。
まずは、いわゆる座学だ。
コーヒーを二つ作り、打ち合わせ用のテーブルに持っていく。
予想を裏切ることなく、鉄郎は先輩がコーヒーを持ってくるのを当たり前のように座って待っている。
私も何か言ったでもなく、期待すべきでもない。
勝手に作ったコーヒーだ。
ここで青筋を立てているようでは小さな人間だ。
厳格な態度。
私は何事もなかったかのように、向かいの椅子に座る。
この組織、私の私見、鉄郎の役割についてできるだけわかりやすく話した。
その間、テーブルの下で鉄郎の固いつま先が何度も私のすねを蹴り上げる。
鉄郎は足の組み換えを何度もするのだ。
そして、ぶつかっていることにまったく気づいている素振りがない。
私はその都度、声が出そうになるほどの苦痛に顔をゆがめるのを必死に堪えた。
耐えろ。
厳格な態度だ。
絶対に舐められてはだめだ。
一通りの話を終え今日のところはここまで、と息をつく。
私はコーヒーを飲もうとカップを手に取り気が付く。
コーヒーが冷たくなっている。
カップごとその液体をくるくると弄んでいると、
「温メマショウカ? 出力ヲ最低ニスレバ、丁度イイカモシレマセン。」
便利な奴だ。
私は素直にコーヒーカップを渡し、温まったであろう、コーヒーカップを受け取る。
その時、一日の業務を終え、テーブルの下の悪夢のすね蹴りから解放された油断があったのだろう。
鉄郎のその手に触れてしまい、オーバーなリアクションとともに、ついに口から出てしまう。
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