どうも皆様おはようございます。
万太郎です。
6月24日、若洲海浜公園人口磯。
満潮4時10分、大潮。
満潮からの引き潮での釣りになる。
今日はもうすぐ夏が近づいてきたことも受けてになるだろうか、少々恐怖体験を語らせていただきたい。
本日は、カップホルダーの釣竿の使用感を確かめようと、普通の釣竿を一本と、それを立てかけられるように三脚を持参した。
せっかく来たのにカップホルダーがいまいちで帰路に着くのは不本意なので、普通の釣竿を置いて、横目で見ながらの実験を試みようと言う腹積もりだ。
さっそく三脚から用意をし、まずは普通の釣竿の準備をする。
準備品が多く、物を動かすことが多くなりそうなので、海老を蹴っ飛ばしたり、落としたりしないよう、少し離れたところに置く。
棒ウキをスイベルに繋ぎ、足元5mの辺りに投げ、三脚に釣竿を立てかけた。
撒き餌はできるだけ控えめにしたいということもあり、ジップロックに一袋分持ってきたものをウキの近くに勺一杯分投げ入れる。
これで、こちらはよしだ。
ここからが本日の本題だ。
カップホルダー釣竿をセットし、投げる感覚を何度か試み、仕掛けをいくつか換えてみる。
やはり、慣れないと使用感がつかみづらく、先端のクリップで引っかかったりと改良の余地を確かめる。
ウキの取り付け方は半遊動でも問題ないが、なにせものさしで作った竿がとても短いので逆に固定でも問題なさそうだ。
ウキが釣り竿のガイドに当たる部分に来る前に捕まえて、ガイドとは別の方向からカップホルダーにラインを巻きつけてしまえばよい。
方法がリールと違って原始的なので全く違ったアプローチが求められる。
問題はやはり、人口磯のように、足元に仕掛けを落とせないような場所での使用は厳しいと言うことだ。
これについては、ものさし竿でなく、別のものを使えば解決できるが、そもそもコンパクトロッドとして提案したものなので、竿を長くしては本末転倒だ。
だが、いろいろ試してみるのは面白いかもしれない。
などと、ぐずぐずと試行錯誤をして、30分くらい経った頃だろうか。
カップホルダーの仕掛けを換えようと、手元の作業に夢中になっていた時だ。
誰の手も触れていないはずの三脚に立てた釣竿がすーっと、動き始めた。
周りに誰かいるわけでもない。
おかしい。
しかし、私はこの現象を知っている。
ポルターガイストだ。
霊が悪さをしている。
現象としては知っていても、いざその場に直面すると体は知識とは別の反応をする。
身体が目に見えない異形の物に反応しているのだ。
私は恐怖のため足がすくんでしまい、うまく動けなくなってしまった。
しかし、その間も、竿は動いていき、ついに三脚を倒して浮き上がった。
私は気合とともに竿をつかんだ。
だが時既に遅し。
三脚とともに竿は倒れ、大きな音が人口磯に響き渡る。
私は青ざめた顔で三脚を建て直し、竿をつかんでリールを巻く。
何かがおかしい。
リールが。
リールが割れている。
人口磯に響き渡った大きな音はラップ現象だったのだ。
割れたリールをひたすらに巻いてみるが、先ほど浮いていた場所に棒ウキの姿はない。
これはいわゆる物品移動現象といわれる現象であろう。
リールを巻こうも、竿を立てようもびくともしない。
私は震える手足に鞭を打ち、必死に現状を取り戻そうとする。
やっとの思いで巻き上げたラインの先に海老の姿はなく、ハリスも途中で切れている有様だ。
かろうじてウキが戻ってきたことが不幸中の幸いであろう。
私は呆然とし、震える手の中で割れたリールをじっと見つめ今起きたことを検めてみる。
いったい何だったのだ。
何の、仕業だ?
海老は行方不明。
そして、ふと振り向くと・・・。
少し遠めに置いた海老をじっと見つめていた猫が、こちらに振り向き、今度はこちらを凝視する。
よくよく猫の瞳を見つめると、壊れたリールを持った悲しげな人間が映っていた。
見えた。
この悲しげな人間こそが私の竿を動かした原因の霊に違いない。
昔、この人口磯でリールにまつわる悲しい思いをした霊であろう。
もちろん私の周りにそのような人間がいる訳ではない。
私は恐ろしくなり、一刻も早くこの場を立ち去ろうと本日の納竿を決意した。
憑りつかれていないことを祈るのみだ。
平和だった若洲に、目に見えない何かが近づいてきていることは間違いない。
カップホルダーの実験を志半ばであきらめ、広げた釣具を片付け、人口磯を後にした。
P.S.むざむざと帰る訳に行かず、堤防の入口が空いていたので、カップホルダーものさし竿を少々使ってみた。
なかなか面白いとは思ったが、ラインを手で巻くので、軍手が必需品。
折れたリールw |
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