2017年4月13日木曜日

装着せよ。強き自分。

どうも皆様おはようございます。
万太郎です。



事務所に戻ると珍しく専務がお呼びだ。

いつもなら駆け寄ってくるのに。



くー、(今日はな、新人だ、新入社員を紹介するぞ)

確かにそういう季節ではあるが、私が言うのもなんだが、この組織に人が必要なのだろうか。


くーん(今日は本人は来てないんだが、これだ)

と、おもむろに人型のなにかを取り出した。



これは・・・?

くーくー(どうだ、かっこいいだろう、実はな、今本体は発注中なんだ。)

本体? 発注?


私は専務の言っている意味がわからず何から質問をしたらいいのか戸惑っていると、

わん(明日か明後日には届くと思うんだ、宜しくね。)

と、言いたいことを言って部屋を出ていこうとする専務を呼び止める。


いや、あの・・・

くーん(そうそう、募集要項は、少しくらい濡れても平気そうなこと、男性が好きそうなフォルムをしていること、ポケットサイズ、体が動くこと、直立できること、そんなとこかな。釣りブログだから。)


いやそうではなく・・・、権利問題とかは平気なんですか?

私は声を潜める。

くーん(おれも考えたんだけどな、下とか右に紹介を載せておけば平気なんじゃない?ほら、それっぽいものも追加しておいたし。)


いつの間にかサイドバーに社長と専務の写真が・・・。

これに紛れ込ませて広告を載せれば何をしても問題なかろう、と・・・。

グレーだ。

濃いグレーが薄いグレーに、いや、全くなっていないかもしれない。

しかし・・・。

考えてみれば、問題になるほどのブログでもない。

この程度の冒険でおどおどしているようでは決して大成はできないであろう。


私は新人の到着を待つことにした。





不定期連載恋愛携帯海老SF小説
第五回
前回
海老美との話はとても楽しい。天真爛漫という言葉が合うのだろう。なんでもうれしそうに楽しそうに話すし、嫌な事、嫌いなことは口を尖らせて話し、最後はしっかりと笑顔で終わらせる。本人が楽しそうだから、聞いている方も自然と笑顔になる。ただ、時々楽しそうに話していたと思ったら、目の焦点はどこへやらぼーっとすることがある。もちろんそんな時でも話しは聞いているし、見る人が見るとそれも魅力的に写るのかもしれない。自分で作ったというお弁当の写真を見せてもらった時にいろいろ話したのだが、家事も多分それなり。 でも普通はそれで十分だ。肝心な記憶についてだが、学校以外の話をしてみたり、当時流行っていたもの、海老美がどんな友達がいたか等、思い出せることはすべて話した。僕が所有する写真なんかも見せることができればよかったのだが、親とは喧嘩別れをして出てきてしまったので、昔の名残のあるものは何もなく、今更親に連絡することもできなかった。海老美の親が記憶についてどう思っているのか聞いてみたところ、いろいろ教えてはくれるのだが、やっぱり思い出せないし、ちょうど僕と出会っている頃の写真は一枚もないらしい。ひとつだけ僕らが昔合ったことがある決定的な証拠があった。昔僕が彼女にあげた赤くて丸い小さなキーホルダー。僕は彼女がまだそれを持っていてくれているのを見て大はしゃぎした。肝心の彼女は気づいたら持ってたっていって、やはりなにも覚えてはいないようだった。

海老美のことでもう一つ気づいた不思議なことは・・・

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