2017年4月18日火曜日

4月16日護衛ミッション 若洲海浜公園 後編

どうも皆様おはようございます。
万太郎です。



鉄郎を連れ、人工磯へ。

それぞれの仕掛けについて教えながら、準備をする。

今日もさほど混んではいない。



いつもは近くにいる海鳥がいつもより沖の方で羽を休めていた。

後ろで鉄郎が見守るなか、護衛についてのいろはを教える。


じきにマキエをつくってもらう、タモをもってもらう等してもらうかもしれない。

今日は足元から5mくらいの距離に仕掛けを投げ入れる。



 しばらく護衛は順調に続くが、10mの隣に浮き釣りのオヤジが陣取った。

腰から手拭いをぶら下げ、見るからにベテランだ。

オヤジは仕掛けを作り終え、マキエを投げる。

テンポ良く投げる。

これは、私とのセッション(合奏)を望んでいるのが知れない。



オヤジが海老を投げる。

私がマキエを撒く。

オヤジがマキエを投げる。

私が海老を引き上げる。


オヤジがマキエをひとつ撒けば。

私がマキエを二つ撒く。

するとオヤジが三つ撒く。

まるで、息のあった餅つきのようだ。

徐々に私とオヤジはボルテージをあげる。

そして、ついに私は歌い出す。

♪レツゴー、突き抜けようぜ♪

オヤジが待っていましたとばかりにマキエを投げ、着水音のビートを刻む。

海の中では、煙幕の中で私とオヤジのリズムに合わせて海老の踊りが感じられる。

海老は足を大きく上げ、腕を全力で回し、体全体で喜びを表現する。

私の歌声は人工磯に響き渡る。

♪最後まで諦めちゃいけないぜ♪

オヤジが私に目で合図を送り、私が海老に視線を送る。

海老はそれに呼応して足を踏み鳴らし、オヤジはさらに激しくビートを刻む。

私は全力でシャウトをし、全員のはち切れんばかりのパフォーマンスを一つにまとめ上げる。

こうなれば完全に無敵だ。

三位一体のセッションがここに完成した。



 すると、私の浮きがふわっと沈む。

私は釣竿を振り上げる。

手応えだ。

リールを巻き、 釣竿をしならせる。

隣のオヤジが心配そうにこちらに視線を向ける。

後ろでも鉄郎が心配しているはずだ。

私は釣竿を振り抜く。

針についていたのはこいつだ。



そう、身代わりの術だ。

海老の危険を感じ、私はセッション中に身代わりの術を施していたのだ。

このぐにょぐにょの変なものに替えられた海老は今頃、物陰で息を潜めていることだろう。

この術で私は何度海老やイソメを救ったことか。



 私はここで一息つき、一連の動きについて鉄郎に説明しようと、後ろを振り返った。



いない。

落ち着け、これがゆとり世代だ。

私は怒りをこらえつつ、海老の付けかえをする。



 そして気を取り直し、前々回、イソメが傷を負っていたように見えたことを思い出す。

タイコリールか。

私はおもむろに道糸を切り、浮きをはずす。

仕掛けだけを道糸に結び直し、海に投げ入れた。

足元の岩場の間に探りの仕掛けを落とし、ゆっくりと上下させる。

これは…。

ここに、私は新しい護衛手段であるフカセ釣りを習得した。



 この後も大きなミスもなく護衛をし、被害ゼロに押さえた。

釣具を片付け、帰路につこうとし、フカセ釣りに夢中になり鉄郎の存在を忘れていたことに気づいた。

ゆとりへの怒りとともにこの若洲に置いて帰ろうかとも思ったのだが、そういえばあれは、サーチエンジンなのだ。

御気分を損ねるわけにはいかない。

このブログの行く末がかかっている。

岩の下を覗いてみたり、芝生を眺めたりしていると、一匹の猫が走ってきた。

この間見かけた猫だ。

すると、そのあとを鉄郎が追いかけてきた。

私は走ってきた鉄郎を右手でわしづかみにすると、そのまま車の後部座席に投げ入れ、帰路についた。


本日の被害
海老 0




足元にエイが見えたよ。イエーイ。ボーズ。

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