2017年4月3日月曜日

4月02日護衛ミッション 若洲海浜公園 前編

どうも皆様おはようございます。
万太郎です。



 前日夜。

眠れない

専務社長から感じているプレッシャーによるものなのか、2週間ぶりの護衛での興奮によるものなのか、久しぶりに護衛するイソメに対するものなのか。

もう4月だ。

インターネッツにも若洲で魚に襲われたという情報が載っていた。

21時に就寝したはずが、心臓が高鳴ったまま22時、23時、24時までは確認した。

イソメの護衛であれば…。

私は護衛のシミュレーションを繰り返す。

その度に私はイソメの護衛に失敗し魚にやられるイメージに終わる。

くそ、これでは駄目だ。

もう一度。

一向に心臓の高鳴りは収まらず…。



 しかし気づくと携帯のアラームが鳴っていた。

大丈夫、眠気は感じない。

昨日整えておいた釣具一式を持ち、車へ。

夜の帳に向かってアクセルを踏み込む。

音楽プレイヤーを車と接続し、今日はランダム演奏をさせてみる。

自分の意と反して、悲しい曲ばかりだ。

まるで、久しぶりのイソメへのレクイエムでも奏でるかのように。

縁起でもない。

信号に車を止められたタイミングでプレイヤーを操作するが、いつまでたっても悲しい曲ばかりだ。

唇をかみしめ、次曲へ次曲へと送るも、視界の中の信号が一斉に目の色を変える。

私はそのままになってしまった悲しい曲を聴きながら、アクセルを踏む。



 あと一つ、この橋を渡れば若洲海浜公園だ。

大きく視界が開けると、いつもより明るい空に気づく。

日の出が早くなってきているのだ。

今日は電気ウキの出番はなさそうだな。

毎回の護衛は過酷だが、その中でも楽しみにしているものの一つに暗いうちに海に投げ込む電気ウキの存在がある。

それが波に揺られているのを眺めるだけで来た甲斐があったと感じられるほどだ。



 空は明るくなってきたが、駐車場の混み具合は 前回 とさほど変わらない。

結局レクイエムが流れたままの車を停め、釣具一式を肩に担ぐ。

堤防待ちの釣り人を横目に人口磯へと急ぐ。

4月だ、と言っても一昨日、昨日と冷たい雨が降った。

雨が降ると海水の塩分濃度が下がり、一般的な海水魚の活性は落ちるが、スズキや黒鯛のような淡水域にまで分布するような魚は逆に活性が上がることもあると聞く。

今日もまだ10度に満たない

潮通しのいい、奥の方が有効であろう。

できるだけ奥の方へ。



今日は中潮。

良すぎず悪すぎず、名誉挽回するには丁度いい。

人口磯の少々奥方、さほど悪くなさそうであるポジションを見つけ、準備を始める。



イソメは必ず私が守る、先ほど曲をレクイエムにはさせない




0 件のコメント:

コメントを投稿