どうも皆様おはようございます。
穴釣り@万太郎です。
(仮)泉君の強襲から一週間。
「明日も若洲行きますぇ。ルアー竿持っていきますよって。おこしやす。」と本音とは裏腹の気持ちを京都弁に込め、前夜に書き込みを入れた。
まあ、来ないだろう。
念のため、釣竿を一本多く持ち、ルアーをいくつかカバンにいれ、お土産お持ち帰り用の発泡材クーラーボックスを積んで若洲に向かった。
お盆休み中は3回は釣りに行く予定が、終日風が強く、結局1日しか釣りにいけなかった。
その貯まったフラストレーションを吐き出すかのように撒き餌を混ぜる。
楽しい。
仕掛けを作る間の胸の高鳴りはいつ来ても変わらない。
撒き餌を撒き、仕掛けを投じる。
結局やってることはあまり変わらない。
上達ってあるのか。
そんなことを考えていると、ウキが不自然な動きをする。
カイズ。
引きも余りなく、やる気が余り感じられない奴だった。
私は、もう一度チャンスをやる、その時は本気で相手にしよう、と言い渡し、海に放流した。
隣でルアーを投げまくってる方がいる。
ルアーであれば、そう雑魚が来ることはあるまい。
だが、あれ、釣れるのか。
FFも散々やった。
私でもいけるかもしれない。
でも・・・。
撒き餌撒くのも混ぜるのも楽しい。
ウキを眺めるのも楽しい。
時間がたりねえなあ、と考えていると。
よそ見をしているとひったくられる様な引き。
慌ててあわせる。
この引きは。
重い。
突っ込まれる。
少々強引に浮かせる。
浮かない?
重い。
ラインブレイク。
ハリスの先が無くなっている。
奴か。
目を閉じ、空を仰ぐ。
まさか、先ほどの奴が。
私は思考をめぐらせ、先ほど奴と戦った一瞬一瞬を思い出す。
そう、あれはわた「部長、部長」。
思考を遮るかのように素っ頓狂な声が後ろから聞こえた。
(仮)泉君だ。
また来たのか。
「部長がルアー用意してくださるってんで、こりゃあ来なきゃバチが当たると思い当たり、すっ飛んで参りましたよ。ふひひ。」
しまった、京都の繊細な駆け引きは彼には通用しなかったようだ。
先ほどバラした想定70cmの黒鯛に後ろ髪を引かれながら、ルアーという物の説明をすることにした。
ルアーは疑似餌であって、その挙動を弱った魚に見せることでフィッシュイーターを捕獲しようという画期的な釣り方だ。
いかに魚に見せるかということに重点が置かれるので、海老やイソメの護衛とは全く異なる。
とにかく、魚をイメージして欲しい。
私も慣れないながら一度手本を見せ、そのまま竿を渡した。
不慣れな様子でルアーを投げ始めるが、やはりちょくちょく根がかるらしく、リールを巻いている時間より、地球と綱引きをしている時間のほうが長く見える。
余り見ているのも失礼かと思い、助けを呼ばれるまでは自分の釣りに専念することにした。
隣からは「よし」、とか「来た」とか聞こえるが、助けを求めているわけではなさそうなので放っておいた。
しばらく自分の釣りに集中し、ふと投げようとした撒き餌の杓を(仮)泉君が持っている。
撒き餌で魚を集めて欲しいと思ったのだろう、確かに寄っては来るかもしれないが、基本はシーバス狙いであり、シーバスは回遊魚だ。
あまり意味はないかもしれないと、その旨を伝えようとするも、(仮)泉君は自分のルアーに撒き餌を撫で付け始めた。
なるほど。
そう、誰しも考えることだ。
私もルアーにイソメを付け、投げたこともある。
しかし、何でも経験だ。
私は黙って見守ることにした。
すると、(仮)泉君は撒き餌まみれのルアーを投げず、そのまま岩の切れ目の穴にルアーをゆっくり落とし始める。
私は黙って見守ることにした。
「きた、きましたよ、カニ、大量です。」
どうやら早々に飽きたらしい。
穴釣りをするにはルアー竿でも少々長い。
私は秘蔵のカップホルダー竿を見せ、その使い方を享受した。
「すごいっすね、インスタ映えばっちりっすよ。」
おそらく思っていないのだろう、先ほどとは打って変わっていぶかしげに独り言のように言い、鈎に海老を付ける。
基本的にはカニが釣れる。
だが、4回に1回くらいハゼが釣れるのだ。
きゃっきゃとカニとハゼを釣り、別々の袋に入れていく。
「こっちがカニ袋で、こっちがハゼ袋っす。ふひひ。今日はカニは要らないのですが、集めておきます。」
楽しそうで何よりだが、そんな小物は私が相手にするようなやつではない。
(仮)泉君に任せておこう。
「万太郎さん、ハゼきました。いやあ楽しいっすね。」
私は潮の上下に注意しながらラインを調整する。
時に繊細に、時に大胆に。
そして、来た、ハゼだ!
私は得意満面の顔で(仮)泉君にアピールする。
「やりますね、万太郎さん。」
気づけば、私達は計20匹ほどのハゼを釣っていた。
ハゼは(仮)泉君のお土産にしようと、彼のお土産ボックスのビニールに入れていた。
もうそろそろ片付けますか、と気を抜いた瞬間、私の手からハゼの一袋が岩の間をすり抜けていった。
「大漁でしたね。釣り部安泰ですよ。一生食えますね。」
と、(仮)泉君は楽しげに穴の中を覗き込んでいる。
私はそそくさと、持ち帰るつもりがなかったであろうカニ袋をハゼ袋の代わりに入れ、発泡スチロールのクーラーボックスの箱を閉じた。
穴釣りに移行してたので、片付けはほとんどなく、お土産ボックスを(仮)泉君に渡し、それぞれの車に消えた。
帰りの(仮)泉君のあおり運転は、それに気づいてのことなのかは不明である。
いやあ、ハゼ釣り楽しいです。オキアミあれだけ投げてればハゼも大きくなりますわな。
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