3月半ばだというのに人がいない。
シーズンはまだ先なのだろうか。
今日も魚が跳ねている様子は見られない。
2月のあれはなんだったんだろう。
今日はマキエを用意してみた。
ここに訪れる方はほぼご存知だと思うが、マキエとは手っ取り早く言うと、煙幕のことである。
魚を陽動する粉や、海水を濁らせる粉、それに無数の海老を混ぜて海に投げ込むことで魚を撹乱し本物の海老を護衛するという、こちら側が仕掛けられる数少ないトラップのうちのひとつである。
またこのマキエと言うのはとても楽しい。
様々な場所のコイの餌やりや動物園の餌やりは一つのアトラクションと考えてよく、これに近い。
それと海老の護衛という一石二鳥の理由で、海に青春を叫ぶ行為と言えるであろう。
またマキエを作る過程である、海水と粉を混ぜる行為も公園の砂遊びを彷彿させ、大変愉快である。
童心に返り粉を混ぜているうちに、空も明るくなった。
すると、同士の方であろう、一名が10mの側で仕掛けを作り出す。
これだけ広い若洲で、人がこれほどまでにいないのに、なぜここで?と、考えもしたが、その方もマキエ、煙幕を投げ出した。
このマキエというトラップは、自分の護衛対象の海老のすぐそばに投げ入れることで自分の海老を護衛をするトラップではある。
だが、所詮は水の中だ。
ましてや、波もあれば潮の流れもある。
拡散するのである。
であれば、近くで投げてくれる他人のマキエは私の護衛対象にとっても効果があり、相乗効果が望めると私は思うのだ。
しかも、その方のいでたちを見るからに、私のものより手の込んだマキエを使っているに違いない。
今日はもいけるかもしれない。
被害0だ。
と思うのも、更に今日は使用しているマキエを、予め海老にコーティングさせてきたのだ。
海老の守備力も上がっている。
棚を変え、仕掛けのポイントを変え、護衛を続ける。
私の護衛の前で魚たちも手も足もでなかったのかもしれない。
対戦ゲームであるならば、全く空気を読まずに強キャラを使いすぎて周りがうんざりしてしまったかの如く、電気浮きがやる気なく海の上で横たえているだけであった。
今日もただただ平和な時間が流れていくのだった。
納竿。
今日もやりつくした私は、釣具を納めるため仕舞ってきたカバンの方、足元に目を落とした。
カニだ。
暖かくなり、生き物が活性化してきた証拠だ。
足元でも私の海老をつけ狙い、また、さらにこのカニを狙うチヌなどが接岸し海老をも狙ってくるに違いない。
やはり、今後は今までのように簡単にセーブはできなくなるであろうことが予想できる。
恐怖におびえながら、事務所に戻り、社長に被害0との報告をする。
何の興味もなさそうにただ朝ご飯を待っているだけのように見えるが、実は違う。
カニを見つけたのなら、捕まえてこい、と言っているのだ。
そうすれば子供も喜ぶし、明日の護衛対象としても使える。
カニのことなど報告もしていないはずなのに、社長はすべてお見通しなのだ。
以後気を付けます、と頭を下げ事務所を後にした。
報告以上
本日の被害
海老 0
イソメ 0
魚の上陸 0
うちリリース 0
釣れませんぞ!
納竿。
今日もやりつくした私は、釣具を納めるため仕舞ってきたカバンの方、足元に目を落とした。
カニだ。
暖かくなり、生き物が活性化してきた証拠だ。
足元でも私の海老をつけ狙い、また、さらにこのカニを狙うチヌなどが接岸し海老をも狙ってくるに違いない。
やはり、今後は今までのように簡単にセーブはできなくなるであろうことが予想できる。
恐怖におびえながら、事務所に戻り、社長に被害0との報告をする。
何の興味もなさそうにただ朝ご飯を待っているだけのように見えるが、実は違う。
カニを見つけたのなら、捕まえてこい、と言っているのだ。
そうすれば子供も喜ぶし、明日の護衛対象としても使える。
カニのことなど報告もしていないはずなのに、社長はすべてお見通しなのだ。
以後気を付けます、と頭を下げ事務所を後にした。
報告以上
本日の被害
海老 0
イソメ 0
魚の上陸 0
うちリリース 0
釣れませんぞ!
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