焼き揚げ万太郎です。
昨日の続きではあるものの、本日の話は昨日の釣果にて開催した儀式について記載しようと思う。
昨日、ついぞやられたカサゴ、サッパ、メジナにつき、本来皆々様の地域ではもしかすると海へ送り返すべき大きさの獲物であったもしれないのだが、私はあえて儀式を執り行うこととした。
カサゴ、サッパは内蔵を取り丸揚げとし、メジナは煮付けることとした。
しかし、カサゴ2匹、サッパ1匹の3匹のみを儀礼としてもてなすにしては油の使用がやや贅沢に感じられた。
そこで急遽、スーパーでアサリを購入した。
アサリを油の儀式に用いられる方は少ないと思うが、これはぜひ皆様にもやってみて頂きたい。
新人のじゃが丸が檻に入れたままだとバウバウやかましく、儀礼の妨げになるため、檻は空けておくこととした。
特に問題はなかろう。
魚の内蔵などを取り、然るべき片栗粉などを塗りつけ、準備を整える。
11月15日の鬼の方位へ体を向け、大きく肩を開き、足を開き、腰を落とすと、目を見開いた後、唇を結び、むんずと両の手を叩き合わせ、天空へと突き上げる。
チョウカンチョウカンヘノテンチヨウカン、チョウシャレバクタ、アゲアヨウキュウ
一通りの儀式の祝言を唱えると、油がふつふつと湧き、備えた魚貝を油の湧いた鍋に滑り込ませると、色味、形状が変化する。
その間、台所を整えた後だった嫁が、これでもかと思うくらい嫌な顔をし、洗い物はしっかりしておけと言い残し去っていった。
私はこんがりと揚がったアサリを一粒づつ菜箸でつまみあげ、キッチンペーパーへと載せた。
カサゴとサッパをしっかりと3度揚げ、メジナの煮つけは電子レンジにて行った。
転生を遂げた魚介を食卓に運び、神酒(パック酒)をぐい飲みに注ぐ。
さて、ここからが本番だ。
一つ間違うと今までの苦労がすべて泡となる。
私は食卓の椅子を引き、腰を下ろすと、利き手である右手を無理のない程度に開き、箸を握る。
箸を慎重に操作し、まずはアサリを摘まみ上げる。
摘まみ上げたアサリはカリカリになっていてとても滑りやすい。
落とさないようにゆっくりと空を移動させ、それを口の中に含む。
そして、幾度か咀嚼を繰り返し、また、ゆっくりと飲み込む。
ほんの少しの猶予の後、ぐい飲みを左手で受け、口に運ぶ。
よし、旨く行った。
次は、サッパだ。
こちらに関しては骨が多い魚であるものの、これをしっかりと揚げると、骨の水分がすべて抜け、咀嚼時の粉砕が容易になる。
こちらは今回一匹のみであるので、処理をさらに慎重にしなければならない。
しかし、私はあまりの緊張に手が震え、サッパを皿から空を移動させている間に、箸から滑り落してしまう。
しまった、と思うも束の間。
椅子の下でうろうろしていたじゃが丸がそれを咥え、運び去り、しゃりしゃりと食い散らかしているのを、私は唖然と眺めるのであった…。
ようし、また釣っちゃうぞ!アサリは揚げると最高のツマミになります。
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