どうも皆様おはようございます。
万太郎です。
海老に食らいついた魚を捕獲した場合、それは速やかに供養されるべきである。
太古より供養とはすなわち食すことだ。
私はこの供養に関しては専門ではない。
だが、小さい組織の中では様々なことしなければならない。
供養には様々な方法があるが、本日の供養について思いめぐらせ、一つの方法に思い当たった。
今回はあれでいこう。
まずはメジナをまな板にのせる。
右手に包丁を持ち、魚を前に神経を集中させる。
大きく、腹の底まで存分に息を吸い、ゆっくりと、少しづつ、腹の底に溜まった空気押し出すようにしっかりと吐き、絞り出す。
すべてを出し終えたらそれに栓をするように息を止め、目を閉じ、全身の皮膚から周囲の空気を感じとる。
ここからが正念場だ。
周囲の空気から寿の念だけを抽出し、自らの体に秘める。
その寿の念を体の中で圧縮し、言霊と印に変換する。
寿力を持った九字を唱え、両手で印を結ぶのだ。
刃の印。
私の体からその寿の念がメジナへと移り、メジナの鱗が溶け出すように流れ落ちる。
何とかうまくいった。
間髪入れずに次の九字と印に移る。
ここでの方法はこれに限らないが、今回はこれが最善と判断した。
ここまでできれば、すでに海老を襲った時の黒い魚魂は消え失せる。
あとは寿の念を送り込み、その魚魂を善とするための作業が残っている。
下味の九字を唱え、儀式を行う。
胸の前で左手で拳を作り、右手人差し指を刀になぞらえ空を切る。
まずは左から右に空を切り、上下、左下から右上、最後にゆっくりと目の前で止める。
そして次に、火の印だ。
メジナは魚魂をすっかり入れ替え、見た目にも儀式の前後で別人のようだ。
さらに、その魂に神の助けを呼ぶ水、お神酒を添える。
まだまだ未熟ではあるが、これで、一通りの儀式は終えた。
この儀式の終わりとともに、次回の護衛の成功を祈る。
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