コスモを見た万太郎です。
先日、荒川のハゼの巣ラビリンスを発見し、僥倖し、驚愕した。
この時期にこれだけの活性がある魚群の巣があるのであれば、その周辺も勿論活性化しているに違いない。
私は改て調査に乗りだした。
しかし、なんの手立てもないまま行ってもまたあの、ハゼの巣ラビリンスに絡め取られてしまう。
沈めてダメなら浮かすしかない。
浮き釣りだ。
私は準備を進め、荒川に乗り出した。
現場に入ろうとすると既に調査員の方が一方いらっしゃった。
この現場は確かに調査対象としては面白みのある場所である。
私は少々場所を移動し、釣り座を作った。
今日もこの時間は満潮。
ラビリンスの攻略はとても難しい。
調査飼料はアサリとする。
ハゼに覿面であり、コストパフォーマンスも良く、手に入れやすい。
仕掛けを作っていてハゼ針がほとんどないことに気づく。
前回、ラビリンスに多数吸い込まれたからだ。
大事に使用せねばならない。
仕掛けを作り、ハゼの巣に届かない程度に棚を作る。
分かっていたことであるが、荒川はなかなか流れがあり、浮きがすぐに流されてしまう。
ガン玉を多めに取り、仕掛けをしっかりと沈める。
しかし流れの先でラインが張ると仕掛けが流れに持っていかれて、浮きが寝てしまう。
これは厄介なことであるが、逆に、これを計算した上で棚を作る。
普段寝ているが、仕掛けが持っていかれると浮きが立つという寝浮きの原理だ。
これがなかなか上手く行き、少し待つと浮きが立ち上がってきた。
私はここぞと竿を振り上げると、アサリについていたハゼが途中でふらりと落ちた。
いける。
私はこの原理で浮きが立ち上がるのをしっかり待ってみた。
いける。
と思ったのも束の間、やはりその下はラビリンス。
根がかっている。
私は仕掛けが外れないよう、四方に竿を誘導するも、結局仕掛けの部分はラビリンス吸い込まれてしまった。
ハゼ仕掛けがなくなり、仕掛けを探すと、投げ釣り用の3連針が見つかる。
いい機会だ。
ラビリンスの向こう側はどうであろう。
私は浮きを外し、軽い重りをつけ3つの針にアサリをつけ、ラビリンスの1m向こう側へ仕掛けを投げる。
そういえば、夏場ではあるもののここでキビレが見つかったことがある。
ラビリンスの向こう側に、何かがあるかもしれない。
私は期待を持ってアサリの動向を見守った。
反応あり、か?
仕掛けを上げてみると、アサリが体積が減っている。
何かにやられた証拠だ。
私はもう一度少し違う方向へと仕掛けを投げる。
探るようにじわじわと仕掛けを動かす。
まただ。
何かに齧られている。
少し様子を見て、仕掛けを引き上げようとする……何かがいる……何かがいる……
気づくと、私は後ろの壁にもたれかかっていた。
そして、アサリはしっかり無くなっていた。
ハゼノスの迷宮に迷い込み、今度は幻覚を見させられたようだ。
そしてアサリもない。
この辺り、活性も強いが、ハゼの巣が相当大きく広がってしまったいる。
この地形を把握することが出来れば、この周辺の魚の活性も手に取るように分かるかもしれない。
私はまたしても荒川にアサリを全て飲まれ、退却を余儀なくされるのであった。
納竿。
根掛かりは恐れるな、とは言うけれども。恐ろしや。
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