2017年4月17日月曜日

4月16日護衛ミッション 若洲海浜公園 前編

どうも皆様おはようございます。
万太郎です。


 昨日は最高気温20度を上回った。

今日も最高気温は20度を越えるらしい。

朝からさほど寒いとは感じられず、過ごしやすい季節と言えるだろう。

いつもと同じくらいの時間に車を走らせていても、車の数は変わらないのに、空の明るさと気温がまるで違う。

流石に、もうそろそろ、魚に襲われるかもしれない。

気温の上昇の他に懸念事項がもうひとつあった。




 後部座席に偉そうに座っている赤いあいつである。

たぶん、寝ている。


    昨日の帰り際、鉄郎に今日の朝の予定は伝えてあった。

どうやら事務所で寝起きしているようだ。

期待通り、朝方事務所に見に行くと、しっかりと寝ていた。

半分寝ている鉄郎を引っ張り出して、車まで連れてきたのだ。

さも当たり前ように、後部座席のドアを開けこちらに見向きもせず乗り込む。


 一般的には、新人に対してマナーも教えなければならないかもしれない。

だが、朝の4時台という、時間が時間だ。

ブラックだ、人権無視だ、などとツイッターにアップされたら大変なことになりそうだ。

私は彼をそのままにし、車を走らせた。



 若洲海浜公園の駐車場に到着するといつもよりはやや車が散見する。

釣具をトランクから出し、ついでに鉄郎も引っ張り出す。

駐車場に降り立つと、いままではなかった向かいのゴルフ場からほんのりと芝生が朝露に濡れた匂いが鼻をつく。



 今日は中潮。

干潮1時、 満潮6時、干潮13時。

良く晴れ、風も少なく、霧もない。

魚の活性は上がってきているはずだ。

だが、新人にみっともないところは見せられない。

よし、 今日も海老の護衛だ。

私は鉄郎に若洲海浜公園のいろはを伝えながら人工磯へと急ぐ。




2017年4月16日日曜日

オオヤケド

どうも皆様おはようございます。
万太郎です。



 早速新人、鉄郎を社内に案内する。

先ほどの態度だ。

まずは舐められたらいけない。

厳格な態度が必要になる。



 案内をしながら、鉄郎にいったい何をさせたらいいのかを考える。

まず、どうしてもその見た目に目がいってしまう。

機械なのか

機械であれば、コンピュータだとか、そういうものにも強いであろう。

そこで私が思いつくものは一つだ。

このブログだ。

エスイーオーというものがあるらしいが、それを強化することでGoogleの検索順位が上がるらしい。

私は、他の人間に気取られまいと、ぼそぼそと聞いてみる。

エスイーオーというのは知っているか?

するとやはり低い声で、一音一音確かめるような声で返事をする。

シーイーオーデスカ? 私ハ、ソノ立場ニアルヨウナ記憶モアル、ヨウナ気ガシマス。」

なんだと。

この機械はエスイーオーその者だというのか。

とすると、先ほどジェット噴射をしていた、あれがサーチエンジンということであろうか。

検索の順位は思いのままだ。

この立場の人間を雇ったのであれば、初日に社長を待たせ、上空から登場しても文句が出ないことには納得ができる。

私はこっそりと、このブログのアドレスとブログをいじるためのIDとパスワードをメモ用紙に書き、鉄郎に手に握らせる。

これを検索順位1位に。

周りに気取られまいとぼそぼそと言う。

だが、どんな立場であろうが、新人は新人だ。

周りへの示しもつかない。

それはそれ、これはこれ。

厳格な態度は変えるわけにはいかない。



 そして初日といえど、ある程度のことはさせて帰らせなければいけない。

私は、自分なりにこの組織、自分のやること、手伝ってもらえそうなことはある程度でも伝えなければいけないと考えた。

まずは、いわゆる座学だ。



 コーヒーを二つ作り、打ち合わせ用のテーブルに持っていく。



 予想を裏切ることなく、鉄郎は先輩がコーヒーを持ってくるのを当たり前のように座って待っている。

私も何か言ったでもなく、期待すべきでもない。

勝手に作ったコーヒーだ。

ここで青筋を立てているようでは小さな人間だ

厳格な態度。

私は何事もなかったかのように、向かいの椅子に座る。



 この組織、私の私見、鉄郎の役割についてできるだけわかりやすく話した。 

その間、テーブルの下で鉄郎の固いつま先が何度も私のすねを蹴り上げる

鉄郎は足の組み換えを何度もするのだ。

そして、ぶつかっていることにまったく気づいている素振りがない。

私はその都度、声が出そうになるほどの苦痛に顔をゆがめるのを必死に堪えた

耐えろ。

厳格な態度だ

絶対に舐められてはだめだ。



 一通りの話を終え今日のところはここまで、と息をつく。

私はコーヒーを飲もうとカップを手に取り気が付く。

コーヒーが冷たくなっている。

カップごとその液体をくるくると弄んでいると、

「温メマショウカ? 出力ヲ最低ニスレバ、丁度イイカモシレマセン。」

便利な奴だ。

私は素直にコーヒーカップを渡し、温まったであろう、コーヒーカップを受け取る。


 その時、一日の業務を終え、テーブルの下の悪夢のすね蹴りから解放された油断があったのだろう。


鉄郎のその手に触れてしまい、オーバーなリアクションとともに、ついに口から出てしまう。


 アツゥーイwww



 厳格な態度、台無し。




☆今日のモスモス



針金に戻ってたので、水やり。


5秒でふわっと。

2017年4月15日土曜日

機械の身体

どうも皆様おはようございます。
万太郎です。



専務と社長、それと私。

あまり一堂に揃うことのない3人だ。

それぞれ無言であるが、専務はそわそわし、社長はどっしりと腰をおろし、私は立ち尽くしていた。

先日専務に言われた新人が訪れる約束の時間はとうに過ぎている。

専務は腕時計をしきりに確認しては、うろうろとしている。

専務と社長を待たせるとはいい度胸だ。

忙しい二人を待ちぼうけにさせるわけにはいかないだろうと、私一人で待つ旨を伝えようとする。

その時。

遠くから轟音を響かせて何かが飛んでくる。

どうやらこちらに向かっているようだ。

その何かのフォルムが徐々に鮮明になり、私たちの上空まで来ると、ぴたりと停止し高度を下げる。

ものすごい熱風だ。

私は身を縮ませ、顔への熱風を緩和させようと両腕でひさしを作る。

そしてその腕の間から目を細め、熱風の来るほうに向ける。


その赤い者は手の甲、足の裏からジェット噴射をし、空中制御をしているようだ。

それはゆっくりと地面に降り、何事もなかったかのように辺りを見回す。



 やがて、その赤い者は私のほうに視線を向け、ゆっくりとした動作でこちらに近づく。

手や足から、体全体から耐え難い熱気を感じる。



「nice to meet you」

と、堂々とした動作で右手を差し出す。

私はそのとてつもない熱気を宿した右手に目を向ける。

こんなものを触ったら火傷をするのではないか。

約束の時間に遅れ、目の上から姿を現し、出会い頭に危険な選択肢を押し付ける。

これが、ゆとり世代、ということか。

もし、例えば社長や上司にそれを振られれば、おもむろに手を握り、アツゥーイwww、などとオーバーなリアクションとともに、おちゃらけるという選択肢もあっただろう。

だが、これは新人、しかも初対面だ。

それをする義理はなく、今後そのような、なあなあな関係になってもいけない。

しかし、その差し出した手を無碍にするのも大人のたしなみとしては正しくはないだろう。

私は胸のポケットからシャーペンを取り出し、差し出した手に握らせる。


そして、はっきりとした日本語で堂々と切り返す。

こんにちは、殲滅隊の万太郎、釣吉万太郎です。

英語でなど返すものか。

その赤い者は少し時間を置き、低い声で一語一語を確かめるように言葉を発した。

「オイド・・・ピー、拙者・・・ピー、私、ハ、星野鉄郎、デス。ヨロシクオ願イ、シマス。」

日本人、いやそうじゃない、大丈夫なのか、いや、本名であれば問題ないだろう、もうやけくそか?と様々な不安を感じ、背筋が凍った。

疑問、疑惑が心の底から湧き出し、ついに溢れかえった私は、専務や社長に一言言おうと振り返る。

しかし、そこには二人の影は見当たらない。

あの熱量だ。

人間の大人だって驚く。

社長はずいぶん離れた場所の水槽の裏に身をかがめ、専務は既に影も形もなくなっている。

私は仕方なく、日本の距離感というものをやんわり伝えるべく、 その横柄な欧米かぶれと一歩二歩距離をとり、事務所の案内に移ることにした。




PS.これが届いた時のゲテモノでも見るかのような目で私を見た妻の顔は、永遠に忘れないだろう。

もちろんこのブログのことはまだ内緒だ。

2017年4月14日金曜日

投釣のすゝめ

どうも皆様おはようございます。
万太郎です。



先頃はカテゴリーとしては浮き釣りに没頭している私であるが、昨年の高須で基本装備としていたのは投げ竿である。



 投げ釣り。

私がまず 投げ釣りを選択したのは、浮きの付け方がわからなかったからである仕掛けがシンプルだからである。

おもりと針を結びつけるだけだ。

「結ぶ」という釣技さえ身につければ作れる仕掛けだ。

そして固くて長すぎない釣竿。

これも取り回しが楽で、分かりやすい。

そして、重ければ重いものほど良く飛ぶおもり。

頑丈な糸。

大きなリール。

すべては実直な男を感じさせるものばかりだ。


 この一式を、ゆっくりと、そして大きく振りかぶり、静から動へ、全身の力で全身のバネを使って、下半身から上半身へ、爪先から指先へ、そして、釣竿へ。

大海原へ、投げるのだ。



 海洋投棄は禁止されている。

しかし、投げ釣りでは正当な理由を持って、 推奨される行為として、仕掛けを大海原へ投げつけることができるのだ。

青空に向かって真っ直ぐ飛ぶイソメ。

狙った場所に着水しようがしまいが、文句を言うものは誰もいない。

ゴルフのドライバーはこれに酷似した行為と言えるだろう。

だが、ゴルフのそれは少しでも手元が狂えば、自分で、もしくは人の手を借り、ボールを捜索し、ボールが見つからなければ打ち直し、隣のコースになどいってしまった場合は「ファー」等と叫び、危険を知らせなければならない。

よそ様にまでご迷惑をお掛けするのだ。

野球もそうであろう。

打たれた白球は、第三者によって捕獲される。しかし、大抵の場合は 周辺住居に飛び、窓ガラスを割り、大事な植木鉢を壊し、かわいい飼い犬の頭に叩き付けられる。

そして、その集団の弱者が謝罪をし、白球の回収に当たるのだ。

この数多なる事象から例外的に存在するのが、投げ釣りであり、すべてを己が一人で完結するのだ。

これほど、潔いスポーツはないだろう。



  私の投げ竿は以下のようなものだ。



決して自慢できるようなものではなく、左のものは投げ釣りをしたくなった前日に近くの釣具やで3000円で購入したものである。

翌日の釣り行で手前のガイドが壊れ、その日からギマの悪夢が始まったのだ。

右のものは、ガイドが壊れた釣竿の悲しみからその翌月に釣具中古屋で購入したもの。

一方は壊れ、 一方は使い古されたものだが、まだまだ使える頑強さを備えている。



 それにしても、投げた後の投げ釣りは大変優雅なものだ。

竿先に鈴でもつけておけば昼寝などをしてもよい。

昼寝が許される貴族のスポーツと言えよう。

そして、全力で投げたかの地で、いざイソメがピンチに見回れると、鈴が、鳴る。

私はイソメの身を案じつつ、どのような魚が襲いかかってきているのか思いを馳せる(ギマ)。

得たいの知れない魚(ギマ)の強烈な引きを感じつつ、竿を振り上げる。

リールを巻くと、魚の抵抗が強くなり、まだ見ぬ遠方のこの魚が身近に感じられる。

果たして、何が、どんな魚がお目見えするのか、胸が高鳴る瞬間だ(ギマ)。

それを釣り上げる時には、くじ引きや宝くじのようなギャンブル性、おみくじにも似た占い要素まである(ギマ)。



 しかし。

都内の釣り公園では投げ釣りはなかなかできないだろう。

高須海浜公園ではできるが、私もできれば広大な浜から海原へ向かって投げてみたい。



 そう、私の投げ釣りはこれからだ

2017年4月13日木曜日

装着せよ。強き自分。

どうも皆様おはようございます。
万太郎です。



事務所に戻ると珍しく専務がお呼びだ。

いつもなら駆け寄ってくるのに。



くー、(今日はな、新人だ、新入社員を紹介するぞ)

確かにそういう季節ではあるが、私が言うのもなんだが、この組織に人が必要なのだろうか。


くーん(今日は本人は来てないんだが、これだ)

と、おもむろに人型のなにかを取り出した。



これは・・・?

くーくー(どうだ、かっこいいだろう、実はな、今本体は発注中なんだ。)

本体? 発注?


私は専務の言っている意味がわからず何から質問をしたらいいのか戸惑っていると、

わん(明日か明後日には届くと思うんだ、宜しくね。)

と、言いたいことを言って部屋を出ていこうとする専務を呼び止める。


いや、あの・・・

くーん(そうそう、募集要項は、少しくらい濡れても平気そうなこと、男性が好きそうなフォルムをしていること、ポケットサイズ、体が動くこと、直立できること、そんなとこかな。釣りブログだから。)


いやそうではなく・・・、権利問題とかは平気なんですか?

私は声を潜める。

くーん(おれも考えたんだけどな、下とか右に紹介を載せておけば平気なんじゃない?ほら、それっぽいものも追加しておいたし。)


いつの間にかサイドバーに社長と専務の写真が・・・。

これに紛れ込ませて広告を載せれば何をしても問題なかろう、と・・・。

グレーだ。

濃いグレーが薄いグレーに、いや、全くなっていないかもしれない。

しかし・・・。

考えてみれば、問題になるほどのブログでもない。

この程度の冒険でおどおどしているようでは決して大成はできないであろう。


私は新人の到着を待つことにした。





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第五回
前回
海老美との話はとても楽しい。天真爛漫という言葉が合うのだろう。なんでもうれしそうに楽しそうに話すし、嫌な事、嫌いなことは口を尖らせて話し、最後はしっかりと笑顔で終わらせる。本人が楽しそうだから、聞いている方も自然と笑顔になる。ただ、時々楽しそうに話していたと思ったら、目の焦点はどこへやらぼーっとすることがある。もちろんそんな時でも話しは聞いているし、見る人が見るとそれも魅力的に写るのかもしれない。自分で作ったというお弁当の写真を見せてもらった時にいろいろ話したのだが、家事も多分それなり。 でも普通はそれで十分だ。肝心な記憶についてだが、学校以外の話をしてみたり、当時流行っていたもの、海老美がどんな友達がいたか等、思い出せることはすべて話した。僕が所有する写真なんかも見せることができればよかったのだが、親とは喧嘩別れをして出てきてしまったので、昔の名残のあるものは何もなく、今更親に連絡することもできなかった。海老美の親が記憶についてどう思っているのか聞いてみたところ、いろいろ教えてはくれるのだが、やっぱり思い出せないし、ちょうど僕と出会っている頃の写真は一枚もないらしい。ひとつだけ僕らが昔合ったことがある決定的な証拠があった。昔僕が彼女にあげた赤くて丸い小さなキーホルダー。僕は彼女がまだそれを持っていてくれているのを見て大はしゃぎした。肝心の彼女は気づいたら持ってたっていって、やはりなにも覚えてはいないようだった。

海老美のことでもう一つ気づいた不思議なことは・・・