2017年11月6日月曜日

10月16日10月17日 台風伊豆 釣り場所を求めて。

貴方に会えてよかった…。





本当に…よかった…。





……






  皆様おはようございます。

万太郎です。


  10月16日(月)、10月17日(火)。

ど平日である。

私は家族を伴い、伊豆に行くことになった。

伊豆。

特に今回、伊東の方に行くことになっている。

海沿いを車で走るだけで釣具屋が乱立し、釣り場所が散見される。

家族の一瞬の隙をついて、一瞬でも釣り竿を振り回したい。

だが、その家族の目のほかに大きな障害があった。

台風だ。

天気予報では10月16日(月)は終日雨、10月17日(火)は雨のち晴れ。

この隙をつくことができるだろうか。

車のトランクに釣具を忍び込ませ、その朝を迎えた。





  10月16日(月)。

とにかく雨だ。

まさに台風の近い本気の雨だ。


朝は様子見だ。

道中も完全に雨。


ホテルについたが、予めグーグルマップで狙っていたホテル前のポイントは厳しい状況だ。



家族には、何かそわそわしていないかなどと突っ込みを受けつつも、やはり今日は諦めねばなるまいか。

この日は仕方なく、酒を飲んで寝ることとした。


  10月17日(火)

やはり、この日も雨だ。

しかし、午後からは晴れ間も見えるという予報だ。

家に着くまで、だ。

家に着くまでが釣りである。

チャンスはまだある。

私は想いばかりが募り、魚に、あいつに会いたい、その想いだけが大きくなっていくのを感じていた。

しかし、チェックアウトは10時。


この時間までやはり天候に恵まれず。

もうホテルでの釣りは諦めねばなるまい。

だが、釣り自体を諦めてはいけない。

まだ帰り道にも沢山の釣りスポットがある。

チェックアウトを済ませ、車に乗り込む。

天気も悪いので特にどこかに寄らずに家に向かうことになる。


  私は、ぐずぐずと干物屋などに無意味に立ち寄り、買いもしない干物ウインドウショッピングを存分に味わった。


流石に家族も干物ばかりでうんざりし、早く帰路につけ、と私を急かす。


  昼食をとる。


だめだ。

伊豆の海鮮の味も全く感じることができない。


雨足は弱まらない。

時計の針は13時を回っている。

ついに高速道の手前の休憩ポイントまで来てしまった。

ここで高速道路に乗ってしまったらもう、伊豆の釣りスポットに寄ることはできない。



私はぐずぐずととんでもない値段の干物を睨みつけ、この場での待機の提案、別の場所への誘導などあらゆることを考えた末…。



  私は一つの解にたどり着いた。

ここだ。

遅くなることはできない。

私は最後の手段だと踏ん切りをつけ、干物を手に取り家族のもとへ交渉に向かった。







  10月17日(火)PM6:00

雨は上がり、私は釣具を持ってこの場所に降り立った。

伊豆より、釣り場を求めて。





  どうしても釣りを諦めきれない私は、帰ってから一人で釣りに行くことを提案したのだった。

眉間にしわを寄せた家族を説得し、旅行の片付けも早々に、車を走らせたのだった。

やはりここになるのか。

若洲海浜公園。

誰にも迷惑をかけずに釣りをする選択肢。

家族を家に送り届けてから、単身向かう。

これしかなかった。

しかし、平日、台風一過とはいえ人がいるものだ。



慣れた手つきで仕掛けを作り、竿を投げる。

温泉が心地いい季節になってきてしまった。

魚もなかなか上がってきてはくれない。

時間が過ぎるばかり。



  PM9:00。

もうそろそろ帰らなければ。

最後の一投にして納竿にしよう。



何かが反応している。

こんな日はあいつに会いたい。

来い。

来てくれ。

…。


一匹の魚がそこにいた。

貴方に会えてよかった…。

本当に…よかった…。

私は感極まり、釣れた魚を抱きしめた。

魚は居心地悪そうにしていたが、私の様子に気づき、諦めたように私の肩を叩いた。

腕時計を確認すると、もう行かなければいけない時間だ。

私はその後、魚を優しく元の海へリリースした。

魚は自分のひれの動きを確認し、元気よく沖に向けて泳いで行った。


はー。めでたしめでたし、と。

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