2018年7月18日水曜日

06月24日 若洲海浜公園 悪魔の証明 ~虫閲覧注意~


どうも皆様おはようございます。

ふさふさ@万太郎です。




   私は社長のもふもふとしたお腹を触ってみたり、口周りの髭の付け根をマッサージしながら言った。

本当です。

社長はうざったそうに体をひねっているように見えるが実は、おめえの言ってること信じられるか、ブツを持って来い、ブツを。と言っているようだ。


本当です、魚は40cmはありました、と私は階下の迷惑も考えず集合住宅の畳を叩いた。

しかし、社長はいかにも面倒くさそうに後ろ脚で首の根元を掻くだけだ。

何を言っても無駄なのか。

何とかしてこの自分にとっての大ニュースに社長を飛びつかせたかった。

信じて欲しかった。

そう、6月24日早朝、6時30分・・・。




 昨日まで降り続いた雨、昨夜21時過ぎから雨は上がり、今日の朝からは風もやみ、朝のこの数時間のみ、釣りにいける。

朝4時、外に出てみると、小雨。

車に乗るのにも躊躇したが、振り続けるようであれば、若洲公園の車中で寝るか。

そう思いながら車を走らせた。

駐車場に車を停めると雨はやんでいた。

釣座を確保し、仕掛けを作る。

今日の餌は決まっている。

前回見かけた、イソメ房掛けだ。


イソメ房掛けだと、どのような魚がやってくるのか。

少なくともサッとオキアミよりは何かが起きるかもしれない。




  本当です。

来たんですよ、魚が。

50cmはあったかもしれない。

社長は飯も食って、少々のんびりしていたところであったせいか、全く取り合ってくれない。

私ははたと思い当たり、言葉でわからないようであれば絵を書いてみようと試みた。


魚の絵は単純そうでなかなか難しい。




  5:00。
  
  仕掛けは海に放り込んだが、雨が降ったり止んだり。

寒い。

何度かくじけそうになり、雨宿りに戻りかけた。

しかし、戻ったところで何をするでもないと思いとどまり、竿を持った。

今日は房掛け。

撒き餌をしないので、誘いは入れつつも手持ち無沙汰だ。

寒い。

それにしても、雨も降っているというのに、周りの釣り人が帰る様子はない。

風さえなければ、波さえなければ、釣りをするのだ。




  社長は私の書いた絵になど何の興味も示さず、近くにいる私がわずらわしいのかうろうろしている。

私は社長の興味を惹くべく、追いかけては、絵を書き直し、手でそのサイズを示してみた。


いまいち反応がないので、数で勝負してみよう。
 
駄目だ。

全く興味を示さない、飛びつかない。

いないもの、いなくなった物の証明はできないのだ。

悪魔の証明だ。




  6:15。

隣に、女性を連れた釣り人が現れた。

女性はフナ虫が苦手なのであろう、人口磯に響き渡る声で悲鳴を上げている。

私は近辺の魚が逃げ出すことを憂い、今までより、遠くへ仕掛けを投げつけた。

そして数分後。

浮きが・・・沈みこんだ。

軽く合わせると、手ごたえを感じたが、あまり大きな引きは感じなかった。

期待をせずにリールを巻く。

足元までラインを引いてから顔を出したのが奴だった。


顔を出した直後突如ラインを引き、大きく泳ぎだす。

竿は弓なりになったが、寸後、魚のテンションを失った浮きが所在無さげに空中に浮いていた・・・。




  一通り社長に説明をした私は、ため息を一つついた。

相変わらず、邪魔そうな落書きには目もくれず、たぬき寝入りを装っている。

このたぬきめ。

そして理解の無い社長に怒りを覚え、落書きで散らかった紙を力任せに握りつぶし、ゴミ箱に投げつけた。

すると今まで、何の興味なさそうであった社長が。


  飛びついたのだった。


  私はその光景を喜びと安堵を持って眺めたのであった。




ボーズ。やり取りが下手くそと言うよりほぼしたことがない悲しみ。ボウズ。


0 件のコメント:

コメントを投稿