2018年4月20日金曜日

01月03日 若洲海浜公園 ~初夢~


皆様どうも明けましておめでとうございます。

1富士、2タカ、万太郎です。


 正月といえば、と解いてみたとしよう。

誰しもが真っ先に口にするのは、間違いなく、釣り、であろう。

私も遅まきながら、1月3日に釣り初めに詣でることにした。



 朝4:00。

昨日の日本酒がまだ残り、いまだ初夢を見ることもなく起床する。

しっかりと防寒をし、体の至る所にカイロを貼り付け、人気の少ない国道を走る。

冬は魚が釣りづらい。

しかし、釣れた魚は皆大きく、釣り涯のあるものになるという。

前回あたりから私たちを悩ませる、カモの存在はある。

餌取りでなく、餌鳥だ

今までの経験からすると、彼らは空が明るくなってから姿を現し、釣り人の撒き餌を食い散らかし、底に潜む魚を脅かす。

そう。

明るくなる前が勝負なのだ。

魚も夜行性のものが多く、暗いうちは警戒心が薄れ、イソメやエビを付け狙うことも増えると聞く。

彼らが姿を現す前に、撒き餌をできるだけ撒いてしまい、暗いうちに全てを終わらせる算段だ。

明るくなってからでは、彼らが来てしまったら、もう我々に成す術は、ない。

棚もいつもより、深くする。

寒くなると魚は、深みに、沖へに沈むと云われている。

全く人気のない人口磯に到着し、暗闇にまぎれて仕掛けを作る。


 ドフ、ドフ、ドッ、ドッ、ドッ。

始めそれは、良からぬ車両からの、大音量での音声妨害かと思えた。

 ドフ、ドフ、ブン、ブン、ドッ。

しかしそれは違った。

 ドフ、ドフ、ドッ、ドッ、ドッ。

車両のそれは、普通走り去っていくものだ。

 ドン、ドン、ブン、ドッ、ドッ。

今耳に聞こえるそれは30分、1時間たとうというのに一向に鳴り止まぬ。

 ドフ、ドン、ブン、ドッ、ドッ。

ということは考えられることは一つ。

 ドン、ブン、ドフ、ドッ、ドッ。

そうか。

今年になってまだ夢を見ていない。


向こうさんからやってきたということだ。

こうなってしまったら、カモなど構っている場合ではない。


明るくなってくる空、海に映し出されるカモの影。

撒き餌を撒くと、その影がその着水地点に動く。

そろそろだ。

先ほど聞こえていた重低音は、正月らしい朝と共に消えていた。

私は俯いてから一度目を閉じ、ゆっくりと顔を上げ、目を開けた。


富士だ。


私が夢に見ないからと、向こうさんからやってきたのだ。

昨年末の儀式も効いているのであろう。

私は富士に向かって大きく頷き、いつも以上に釣座周辺を片付け、本日の釣りを納めることとした。

納竿。




釣れないのはカモのせい、完全に。腕とかじゃないんです。冬の若洲はカモ注意!ボーズ。

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