皆様どうも明けましておめでとうございます。
1富士、2タカ、万太郎です。
正月といえば、と解いてみたとしよう。
誰しもが真っ先に口にするのは、間違いなく、釣り、であろう。
私も遅まきながら、1月3日に釣り初めに詣でることにした。
朝4:00。
昨日の日本酒がまだ残り、いまだ初夢を見ることもなく起床する。
しっかりと防寒をし、体の至る所にカイロを貼り付け、人気の少ない国道を走る。
冬は魚が釣りづらい。
しかし、釣れた魚は皆大きく、釣り涯のあるものになるという。
前回あたりから私たちを悩ませる、カモの存在はある。
餌取りでなく、餌鳥だ。
今までの経験からすると、彼らは空が明るくなってから姿を現し、釣り人の撒き餌を食い散らかし、底に潜む魚を脅かす。
そう。
明るくなる前が勝負なのだ。
魚も夜行性のものが多く、暗いうちは警戒心が薄れ、イソメやエビを付け狙うことも増えると聞く。
彼らが姿を現す前に、撒き餌をできるだけ撒いてしまい、暗いうちに全てを終わらせる算段だ。
明るくなってからでは、彼らが来てしまったら、もう我々に成す術は、ない。
棚もいつもより、深くする。
寒くなると魚は、深みに、沖へに沈むと云われている。
全く人気のない人口磯に到着し、暗闇にまぎれて仕掛けを作る。
ドフ、ドフ、ドッ、ドッ、ドッ。
始めそれは、良からぬ車両からの、大音量での音声妨害かと思えた。
ドフ、ドフ、ブン、ブン、ドッ。
しかしそれは違った。
ドフ、ドフ、ドッ、ドッ、ドッ。
車両のそれは、普通走り去っていくものだ。
ドン、ドン、ブン、ドッ、ドッ。
今耳に聞こえるそれは30分、1時間たとうというのに一向に鳴り止まぬ。
ドフ、ドン、ブン、ドッ、ドッ。
ということは考えられることは一つ。
ドン、ブン、ドフ、ドッ、ドッ。
そうか。
今年になってまだ夢を見ていない。
向こうさんからやってきたということだ。
こうなってしまったら、カモなど構っている場合ではない。
明るくなってくる空、海に映し出されるカモの影。
撒き餌を撒くと、その影がその着水地点に動く。
そろそろだ。
先ほど聞こえていた重低音は、正月らしい朝と共に消えていた。
私は俯いてから一度目を閉じ、ゆっくりと顔を上げ、目を開けた。
富士だ。
私が夢に見ないからと、向こうさんからやってきたのだ。
昨年末の儀式も効いているのであろう。
私は富士に向かって大きく頷き、いつも以上に釣座周辺を片付け、本日の釣りを納めることとした。
納竿。
釣れないのはカモのせい、完全に。腕とかじゃないんです。冬の若洲はカモ注意!ボーズ。
0 件のコメント:
コメントを投稿