どうも皆様おはようございます。
なんくるないさ@万太郎です。
思い返せば6月3日(日曜日)。
8月に沖縄に行こうと家族の誰ともなく言い出した。
昼休みは自製おにぎりを食い、釣具もケチって、欲しいものも我慢をし、貯めたお金だ。
欲しい釣竿リールもそこそこに、モノよりコトか、と自分を納得させる。
なにより沖縄の釣り経験値は、若洲の10倍以上になるはずだ。
だが問題はまだある。
私の副業の職場は8月末決算を迎える。
8月27日というギリギリのタイミングに果たして休みが取れるのか。
約3ヶ月も前の申請であれば、どさくさにまぎれて通るであろう、という不安の元に申請書を提出した。
ほどなく深海魚のような顔をした女性上司から承認が出た。
いざ、出発前日になると判を押した当の上司に「え、休み?」などと怪訝な顔をされたが、ホワイトボードに「休み」と書きつけ、そそくさと家路に着いた。
どこに釣りに行こう、どこに泳ぎに行こうと胸を高鳴らせていた。
しかし、週間天気予報の沖縄の欄にはスケジュールの3日間とも大きな傘と風マークが踊っていた。
私の沖縄釣り行は、はやくも絶望的、と思われた。
沖縄初日、天気、雨、風速10m/s。
台風一過で全国的に晴れているものの何故か沖縄だけが暴雨暴風に見舞われている。
しかたなし、国際通りをうろうろした。
いざ、宿までの道のりでは穏やかな海が見受けられたため、昨年同様、フィッシングステップで釣竿を借りる。
2本借りると、エサ代含め5000円と言われ、安い釣り竿なら買えるのではないかと若干後悔する。
しかし、レジ奥のタマンダービーのホワイトボードに、ロウニンアジ131cm、29kgの文字を見つけ俄然テンションを上げる。
本部と言えば今回の宿泊地の近くだ。
とりあえず宿だ。
宿での情報では今日は午後からはビーチを閉鎖するほどの強風なので、海には近づかん方がいいと日焼けばっちりのお姉ちゃんに言われた。
本日はあきらめざるを得ない。
明日の予報も雨、風。
釣りも海も絶望的になり、酒を煽って寝ることとした。
二日目、天気、雨曇り、風速8m/s。
午前中はプールなどで、お茶を濁すが、午後から風は強いながら晴れ間ものぞく。
もう明日には帰りの飛行機に乗らなければならない。
チャンスを逃すわけにはいかない。
私は普段見せないような真剣なまなざしを作り、釣りに行きたいと懇願した。
すると、嫁が笑顔で釣りに行ってこいと言う。
流石に10年以上連れ添った間だ。
私がどれだけ真剣かはわかってくれたようだ。
私は事前に調査しておいた釣り場にあたった。
本部。
波は高く、波が港にぶつかる確度によっては釣りをしてても波しぶきが掛かるほどだ。
波を眺めていると恐怖さえ感じる。
こんな荒れた海で魚が釣れるとは思えん、が、昨日のホワイトボードが頭をよぎる。
仕掛けを入れるとかなりの深さがあることがわかる。
何度かの通り雨の中、釣りを続けること3時間。
この子達の上陸が確認できた。
可愛すぎる。
また、大きなあたりも二つほど確認した。
こんな大荒れでも魚が食ってくる沖縄はやはり恐るべしだ。
明日も微妙な天気予報。
酒を煽って一日納竿。
三日目、奇跡の好天。風速3m/s。
風も昨日と比べるとほとんどない。
釣りか、海か、と頭で繰り返し出立の準備をする。
宿のチェックアウトを早々にし、車に乗り込み、子供達に釣りか、泳ぎたいか聞いてみる。
子供は泳ぎたいというであろうか。
すると、あらぬ方向から「三日目はおきなわワールドだから。釣りは昨日行かせてあげたでしょ。」と聞こえた。
嫁だ。
顔が本気だ。
なぜ、天気のいい日に沖縄ワールドなのか、おおいに疑問に思ったが、10年以上連れ添った間だ。
ここで不平をこぼしたら、この先1年文句を言われ続け、釣りに行けない日々が続くであろう。
半日の沖縄と、1年の若洲。
釣り経験値で言えば沖縄のほうが上かもしれない。
そうだ、ここで言わなければ一生後悔する・・・。
怖くて言えるわけがなかった。
こうして沖縄旅行の幕は閉じた。
メールの転送欄には会社からの確認メールが飛び交っていた。
翌日、会社へ向かう。
忙しい時期にすみません、と皆にお土産を渡していると、「あ、沖縄?来週わたし物件視察(あそび)で行くんで仮払いお願いね。」と深海魚のような上司がすれ違いざまにぼそりとつぶやいた。
釣り好きにとって好天の沖縄ワールドはちょっとした拷問でした。助けてマングース!