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2023年12月3日日曜日

荒川 釣り 12/01 ラビリンスの向こう側

皆様どうもおはようございます。
コスモを見た万太郎です。


先日、荒川のハゼの巣ラビリンスを発見し、僥倖し、驚愕した。

この時期にこれだけの活性がある魚群の巣があるのであれば、その周辺も勿論活性化しているに違いない。

私は改て調査に乗りだした。

しかし、なんの手立てもないまま行ってもまたあの、ハゼの巣ラビリンスに絡め取られてしまう。

沈めてダメなら浮かすしかない。

浮き釣りだ。

私は準備を進め、荒川に乗り出した。



現場に入ろうとすると既に調査員の方が一方いらっしゃった。

この現場は確かに調査対象としては面白みのある場所である。

私は少々場所を移動し、釣り座を作った。

今日もこの時間は満潮。

ラビリンスの攻略はとても難しい。

調査飼料はアサリとする。

ハゼに覿面であり、コストパフォーマンスも良く、手に入れやすい。

仕掛けを作っていてハゼ針がほとんどないことに気づく。

前回、ラビリンスに多数吸い込まれたからだ。

大事に使用せねばならない。

仕掛けを作り、ハゼの巣に届かない程度に棚を作る。

分かっていたことであるが、荒川はなかなか流れがあり、浮きがすぐに流されてしまう。

ガン玉を多めに取り、仕掛けをしっかりと沈める。

しかし流れの先でラインが張ると仕掛けが流れに持っていかれて、浮きが寝てしまう。

これは厄介なことであるが、逆に、これを計算した上で棚を作る。

普段寝ているが、仕掛けが持っていかれると浮きが立つという寝浮きの原理だ。

これがなかなか上手く行き、少し待つと浮きが立ち上がってきた。

私はここぞと竿を振り上げると、アサリについていたハゼが途中でふらりと落ちた。

いける。

私はこの原理で浮きが立ち上がるのをしっかり待ってみた。

いける。

と思ったのも束の間、やはりその下はラビリンス。

根がかっている。



私は仕掛けが外れないよう、四方に竿を誘導するも、結局仕掛けの部分はラビリンス吸い込まれてしまった。



ハゼ仕掛けがなくなり、仕掛けを探すと、投げ釣り用の3連針が見つかる。

いい機会だ。

ラビリンスの向こう側はどうであろう。

私は浮きを外し、軽い重りをつけ3つの針にアサリをつけ、ラビリンスの1m向こう側へ仕掛けを投げる。

そういえば、夏場ではあるもののここでキビレが見つかったことがある。

ラビリンスの向こう側に、何かがあるかもしれない。

私は期待を持ってアサリの動向を見守った。

反応あり、か?

仕掛けを上げてみると、アサリが体積が減っている。

何かにやられた証拠だ。

私はもう一度少し違う方向へと仕掛けを投げる。

探るようにじわじわと仕掛けを動かす。

まただ。

何かに齧られている。

少し様子を見て、仕掛けを引き上げようとする……何かがいる……何かがいる……





気づくと、私は後ろの壁にもたれかかっていた。

そして、アサリはしっかり無くなっていた。

ハゼノスの迷宮に迷い込み、今度は幻覚を見させられたようだ。

そしてアサリもない。

この辺り、活性も強いが、ハゼの巣が相当大きく広がってしまったいる。

この地形を把握することが出来れば、この周辺の魚の活性も手に取るように分かるかもしれない。

私はまたしても荒川にアサリを全て飲まれ、退却を余儀なくされるのであった。

納竿。




根掛かりは恐れるな、とは言うけれども。恐ろしや。

2023年11月21日火曜日

旧中川 釣り 11/19 青春のイソメ

皆様どうもおはようございます
まだ16歳(大嘘)、万太郎です。


先週のイソメがまだ残っている。

一匹のイソメが出陣の要請を願い出た。

だが、私は首になった身、行きたいのはやまやまだが、こそこそと抜け出してばれでもしたら、実に事だ。


だが、イソメの情熱は止まらなかった。

私は覚悟を決め、近くの川であれば、訓練にもなり、良いであろう、と判断した。


こそこそと準備をし、一通りのものが整ったところで、1階の廊下を通り、外へと向かう。

1階は社長の部屋があり、何か物音でも立てればすぐに気づかれてしまう。

しかし。

私は床に落ちていた缶を蹴ってしまい、カラカラと大きな音を立てる。

しまった、絶望的だ。

素直に謝ろうと、1階の社長室へ向かう。

社長室のドアを開けると、まるで何事もなかったかのように寝ている、振りをしてくれているのだろう。

これは、暗黙の行ってこい、という社長の優しさに他なるまい。

私は背中で社長に礼を言い、イソメを持って、旧中川に向かうのであった。


旧中川はもう少し暖かい時期であれば、ハゼが大量に沸いている。

また、ルアーでクロダイを釣り上げている方もお見受けしたことがある。

なかなか見どころのある釣り場といって良いであろう。


11月も半ばを過ぎ、この時期の旧中川はどのようになっているであろう。

片や、別の場所であるが、サイズ10センチを超える落ちハゼが入れ食い、とのうわさも聞いている。


旧中川に到着し、期待に胸を弾ませながら釣りの準備をする。

軽い重りを付け、仕掛けを沈めてみる。

ハゼの生命反応がない。

ハゼ的な生命反応はないのだが、植物的には大きな生命反応だ。

というのも、藻がびっしりなのだ。

少し仕掛けで誘いを掛けようものなら、仕掛け中に藻が乗って返ってくる。

これは、実はイソメ護衛術、藻隠れという正式な技術ではあるものの、地形を利用するため、普段はあまり使用しないものである。


藻が少なそうなところを移動し、川下の方へ移動していると、一つ川の中心の方へ先に出た飛び石を見つける。

この飛び石に乗れば、杭の向こう側に仕掛けを投げることができそうだ。

私は軽快に飛び石に飛び乗り、バランスを取り、杭の向こう側に仕掛けを投げ入れる。


ハゼはなかなか見当たらないが、ボラの子であろうと思われる群れは頻繁に見ることができた。

寒くなってきたため、魚は深いところへ移動にしているのであろう。

仕掛けを何度か杭の向こう側へ投げ入れていると、竿に手ごたえを感じた。

まずい、私は竿を操作し、リールを巻き、イソメの護衛に集中する。


と、私はバランスを崩し、飛び石から川へざぶんと音を立てて落ちてしまう。

すぐに立ち上がり、リールを巻く。

イソメは?無事か。


仕掛けを手元まで戻すと、イソメはしっかりと生きていた。

私はイソメに声をかける。

「危なかった、イソ、お前の回避技術が無ければやられていた。」

イソメも息を切らしながら言う。

「いえいえ、万太郎さんの腕ですよ、ありがとうございます。」

「ふふ、イソ、お前顔が藻と泥で真っ黒じゃないか。」

「何を言っているんです、万太郎さんだって、藻だらけですよ。」

「そうか、はっはっはっは。」

「ははははは。」

私たちはお互いの雄姿を認め合い、広げた釣り道具を片付けた。

そして、私はイソメと肩を組みながら、夕日に背を向け、家路につくのであった。





いやあ、青春ですね。釣りをしている人はまだ結構いましたよ。